序論では、XMLの概要として以下の事を学びました。
ここでは、序論の復讐と併せて、実際にXML文書を書いてみます。
XML文書はテキストファイルですので、テキスト・エディタで作成することができます。ファイル名は任意に設定できますが、拡張子は必ず「.xml」です。手始めに、以下に簡単な例を示します。「メモ帳」など、テキスト・ファイルを編集するソフトで、表2.1 の内容を作成して「sample1.xml」のファイル名で保存してください。
表2.1 sample1.xml |
<?xml version = "1.0" encoding = "Shift_JIS"?> <サンプル> <タイトル>sample1.xml</タイトル> <本文>最初のXML文書</本文> </サンプル> |
sample1.xml では、<サンプル>~</サンプル> の間に <タイトル>~</タイトル> と <本文>~</本文> があります。これは、以下の事を意味します。
次に用語を示します
sample1.xml の1行目 <?xml version = "1.0" encoding = "Shift_JIS"?> は、XML文書として認識されるために、1行目に必須の構文です。"version"、"encoding" ともに意味のある用語ですが、現時点ではこのまま書き写して使用してください。
一般的な XML文書の表示・閲覧環境は WEB ブラウザです。Internet Explorer (Ver.5以上) などXML対応のブラウザに、sample1.xmlをドラッグ&ドロップして表示します。表示例を以下に示します。
(a) Internet Explorer Ver.8 | |
(b) Mozilla Firefox Ver.3.63 (縮小表示) |
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図2.1 sample1.xml の WEBブラウザでの表示例(1) |
Internet Explorer と Mozilla Firefox の例を挙げましたが、いずれも <サンプル>の横に「- (マイナス)」の記号が確認できます。この記号をクリックして、文書の表示を変えることができます。以下に それぞれの例を示します。
(a) Internet Explorer Ver.8 | |
(b) Mozilla Firefox Ver.3.63 (縮小表示) |
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図2.2 sample1.xml の WEBブラウザでの表示例(2) |
<サンプル>の横の記号は「+ (プラス)」に変わり、表示が簡略化されました。「+ 」をクリックすると図2.1の表示に戻ります。「『サンプル』は、『タイトル』と『本文』を含む」の意味がイメージできたでしょうか。
sample1.xml に示した要素の名前、「サンプル」、「タイトル」、「本文」は、「それぞれの要素がそういう名前である」というだけでそれ以上の意味を持ちません。
まず、「サンプル」は、sample1.xml において一例を挙げたに過ぎず、「『サンプル』というデータは、必ず『タイトル』と『本文』で構成されるもの」と決まったわけではありません。例えば以下のように、異なった構成をユーザーが自由に定めることができます。
表2.2 sample2.xml - 異なった構成 |
<?xml version = "1.0" encoding = "Shift_JIS"?> <サンプル> <タイトル>sample2.xml</タイトル> <本文> <見出し>最初のXML文書</見出し> <段落>今日は朝から天気が良い。すがすがしい気分だ。</段落> <注釈>ただし、こう書き残した後に豪雨に見舞われた。</注釈> </本文> </サンプル> |
また、「サンプル」の要素である「タイトル」は「(区別しやすいように)たまたま『タイトル』という名前で表した」だけのことであり、sample1.xml の構成を他の名前で表しても何ら影響はありません。
表2.3 sample3.xml - 異なった要素名 |
<?xml version = "1.0" encoding = "Shift_JIS"?> <見本文> <題目>sample3.xml</題目> <内容>最初のXML文書</内容> </見本文> |
極端に言えば、以下のように書いても sample1.xml および sample3.xml と同様に「あるデータは、性質の違う2つの要素で構成されている」ことを正しく表していることになります。
表2.4 sample4.xml - sample3.xml の極端な例 |
<?xml version = "1.0" encoding = "Shift_JIS"?> <ぱっぱかぱ> <ぴっぴきぴ>sample4.xml</ぴっぴきぴ> <ぷっぷくぷ>最初のXML文書</ぷっぷくぷ> </ぱっぱかぱ> |
以上のように、XMLはあくまでも「定められたデータについて、その構成と要素を文書で表す」ことが目的であって、データの構成および要素の名前は任意に定められたものということになります。「任意に定められたもの」ですからユーザーが定めることもできます。
本章では、簡単なXMLを書きながら序章の復習を行いました。序章のまとめ
は理解できたでしょうか。またXMLのルールとして以下の事を学びました。
次回は、XML文書を作成する上での留意点を学習します。
2009/04/05: 作成