sRGBは、standard RGB の略。IEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)が1998年10月に定めた、色再現性の国際規格。
sRGBカラー・スペースはあまり明るくない室内(dimly lit office)で期待されるモニタ特性に基づいており、IECによってIEC61966-2-1として規格化されている。デジタルカメラやプリンタ、モニタなど多くのPC用周辺機器では、このsRGBに則った色調整を行うことで、入力と出力時の色の差異を極力少なくしている。ただし、CRTディスプレイで表現できる色を基準としているため、表現できる色の範囲はそれほど広くない。例えば、エメラルドグリーン、濃いシアン、オレンジ、明るい赤や黄色などの表現は苦手である。このため、写真やグラフィックデザインを専門的に扱うプロ用途などには向かないと言われている。
モニタが発光するR,G,BおよびsRGBモニタのWhite設定の期待されている色は下に示す色度値のとおり指定される。
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ITU-R BT.709参照の原色のCIE色度(chromaticity)とCIE標準光源 |
ここで、モニタのガンマ値は2.2である。以下にsRGBとXYZ三刺激値(XYZ tristimulus)の間で変換するために用いられた公式を示す。
R,G,B発光体の色度、および65Dのホワイトポイントは、65Dの三刺激値とリニアなRGB値の間に以下の関係を生じている。
ここで、0≦R,G,B≦1であり、R,G,Bそれぞれが1.0より大きい場合は1.0に、0.0より小さい場合は0に設定される。
リニアのRGB値は、以下の通りノンリニアなsR'G'B'値に変換される。
R, G, B ≦ 0.0031308の場合 R’sRGB = 12.92 × R R, G, B > 0.0031308の場合 R’sRGB = 1.055 × R(1.0/2.4)
- 0.055 |
ノンリニアなsR'G'B'値は、以下の式によってリニアのRGB値に変換される。
R’sRGB ,G’sRGB , B’sRGB ≦ 0.04045の場合 R = R’sRGB / 12.92 R’sRGB ,G’sRGB , B’sRGB > 0.04045の場合 R = ((R’sRGB + 0.055) / 1.055)2.4 |
最後に、以下の式を用いてRGBをXYZに変換する。
表示輝度レベル | 80 cd/m2 |
表示ホワイトポイント | x = 0.3127, y = 0.3290 (D65) |
表示モデルオフセット(R,G,B) | 0.0 |
表示入力/出力特性 | 2.2 |
参照時の周囲の照度レベル | 64 lux |
参照時の周囲のホワイトポイント | x = 0.3457, y = 0.3585 (D50) |
参照時のベイリンググレア | 0.2 cd m-2 |
※詳細はIEC 61966-2-1リファレンスを参照のこと
2008/05/24: 作成