サイトを持つ目的は、本質的に、情報発信を行うこと。ところが、情報を発信する以前の問題として、サイトを「どう見せるか」や「どう管理するか」などなど考える必要があります。考え出せばあらゆる場面を想定し出して時間が掛り、考えるのも煩わしいと勢いで始めれば管理に困り、結果、挫折の憂き目に会う…。
こうして私は何度もサイトの維持に失敗して参りました。このサイトがずーっとずーっと始まらなかったのも、上記のことを思い起こすあまり、生来のナマケモノ気質が災いしたのが原因。そもそも、「『改善すること』や『管理すること』を目的にサイトを作るワケではない」んであって、そこは合理的に考えて、以下「サボるためにどうしたらいいか」一生懸命考えてみました。
逆説的な話です。
よく「見る人のことを考えて作りましょう」と言われるようですが、それは、万人が見て役に立つ…例えば商用サイトのようなモノを作る場合に留意すべきことと考えます。他人を気遣うあまり、「こういう情報も用意しなければならないのでは…」と考えがちですが、情報量を増やそうと欲をかく必要はありません。なぜなら、大抵の情報は誰かが既に発信している場合が殆どだからです。ならば、いっそのこと、自分用のメモと割り切って作ってしまった方がラクというものです。
WWWの本来の目的は「知の共有」であって、必要な知識はリンクを貼ったり、検索したりすることによって得ることができるはずです。とはいえ、リンク先のサイトはいつ消えるかわからないものですから、消えると困る情報を知識として取得し、自分のサイトにメモしておきます。まずは「自分の知」をサポートするのが先決と考えます。
あなたの情報が、他人にとって共有したい情報かどうかは、ある種、偶然みたいなものです。他の人が見なくたって、突き詰めて深刻な問題ではないでしょう。あなたには役に立つ情報なんですから。
情報発信のモチベーションに影響することとして、「正確な情報を発信しなければならない」というプレッシャーがあると思います。しかしながら、これも取るに足らない心配であるように思います。極めて影響力の大きい公人や公機関でもない限りは、情報の正確さ云々を気にする前に、まずは、発信してみることが大事かと考えます。
インターネットは情報発信の敷居が低いゆえ、その情報は玉石混交です。ネットから情報を得るということは、ガセネタをつかむかもしれないというリスクを抱えているのです。したがって、あなたが発信した情報が誤っていた場合、あなたが発信した情報だけを頼りにしていた人が何か実害を被ったとしても、あなたひとりに責任を押し付けることはお門違いというものです。WWWは「知の共有」に過ぎず、その知が不確かであるかもしれないというリスクを考慮して、複数の情報を参照することによって新たな知を獲得するというのが、WWWの良い使い方であると考えます。外部の人間ができることは、誤った情報を指摘することぐらいではないでしょうか。指摘された部分に誤りを見つけたら、その情報は正す。そうすることによって、知は洗練されていく…そういうスタンスで良いと思います。
なお、まずは発信してみるにあたって、関連する複数の文章は同時に編集しない方が良さそうです。私の場合、相互の文書の関連にとらわれて文が書けなくなり、文字通り「ニ兎を追うもの一兎をも得ず」で何度も挫折しました。経験談として。
余談ですが、私は"Web 2.0"という枠組みや技術に対して、あまり肯定的な見方をしていません。特に「双方向コミュニケーション」というのは、私自身そうですが、レスポンスも反射的かつ刹那的になりがちで、建設的な議論を妨げるように感じます。また、反射的かつ刹那的な意見を憂慮するあまり、四六時中、聖人君子を求められるようで非常に窮屈です。どうしても届けなければならないメッセージなら、メールで一呼吸置くことも厭わないでしょう。
いずれ、閲覧者の反応に敏感になり過ぎないことが、情報発信のモチベーションにつながるのではと考える次第です。
「自分が自分のサイトを閲覧したいと思うためには」という観点から「閲覧者の要求」について仮説を立て、それぞれに対応するにあたっての問題点を、以下にまとめてみました。
閲覧者の要求 | 対応に際しての問題 | |
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見やすく | デザインをCoolに |
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表示画面に収まる程度の長さ |
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探しやすく | どんな情報があるのか |
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どこに情報があるのか |
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もし、ここに挙げた問題点が「サイトを作る上での手間」だとするならば、立ち向かわずに避けて通ってしまいましょう。
なお、「面白く」とか、そこら辺は気に掛けないでください。それこそセンスの問題ですので。
以下、先述したそれぞれの問題点についての対策を考えます。
こう言っちゃ身も蓋もないのですが、一番ラクなのは「パクる」ことかなと考えます。言葉が悪いですか?なら「良いものに影響される」と。現に、このサイトのレイアウトは Wiki で使用している CSS (スタイルシート)をアレンジしました。
「餅は餅屋」と言います。テンプレートを提供しているサイトや、オンライン上でレイアウトを生成するサイトもありますので、あれこれ悩む前に利用するのが賢明と思う次第です。
長い文章を、スクロールバーを操作して行ったり来たりするのも煩わしいでしょうから、文章は表示画面に収まる程度にシンプルにまとめたい。でも、シンプルにすると必要な情報を収めきれない。そこで複数のページに分割して…ということで、通常は折り合いが付くでしょう。
しかしながら、私は「1テーマは1文章に」収めたかったりするんです。タチが悪い。ゆくゆくは、画面長ごとの区切りで、あたかもページをめくるかのような仕様にしたいと考えています。
まずは、発信してみることを考えるなら、カテゴリ分けも無理に行う必要はないでしょう。ましてや、カテゴリ分けできたとして、それぞれにディレクトリを作って別々に保存するとなると、文書同士を関連付ける際に、リンクのパス指定をしなければなりません。このサイトでは、単一のディレクトリに、画像含め全ての情報を放り込んでいます。
ただし、ファイル名には少々気を使いました。"080520.html"のように、日付に基づくなどの機械的な命名ではなく、文章を読まずとも何について書いたかが思い出せるように、文書のテーマに由来したファイル名を付けています。
こうして雑多に放り込んだファイルですが、望む情報にたどり着くために、それぞれの文書に関連する話題の文書へのリンクを貼っておきます。話題の出発点や、どの文書からも参照されない文書は、見出しのページからリンクしておきます。
また、個人サイト向けのフリーの検索エンジンを入手して活用するというのも良いでしょう。ところが、このページUTF-8で書いてあり、こうしたフリーの検索エンジンはUnicodeに対応しているものが極めて少ないのです。Unicode対応で、設置のラクな検索エンジンが出てこないかなぁと思います。